ユニバーサルデザイン案内板とは?JIS規格や設置基準の正解を解説

ユニバーサルデザイン案内板は、すべての人が迷わず目的地へたどり着けるよう設計された情報提示の仕組みです。
- 利用者からの道案内の問い合わせが絶えず、受付スタッフが疲弊している
- 障害者差別解消法への対応として何をすればよいか判断できない
- アナログ看板の更新に手間がかかり、情報が古いまま放置されている
上記のような課題は、適切なユニバーサルデザインの導入で解消できます。
本記事では、JIS規格に基づく設計基準や配色ルール、デジタルサイネージとの組み合わせ方まで、実務で使える情報を具体的に紹介します。
本記事のポイントは以下のとおりです。
- ユニバーサルデザイン案内板で誰もが直感的に理解できる情報提示を実現できる。
- JIS Z 8210に基づくピクトグラムとUDフォントを活用することで、可読性が向上する。
- 設置高さは車椅子利用者の目線に合わせ、床上1,250㎜を目安とする。
- 2024年4月施行の障害者差別解消法改正により、民間事業者にも合理的配慮が義務化された。
- デジタルサイネージなら更新の手間を削減し情報の鮮度を維持できる。
「案内板の見直しを検討しているのに、何から手をつければよいか判断できない」
そう感じる方は少なくありません。
樹サインでは、施設の現状をヒアリングしたうえで、必要な改善策を一緒に整理します。
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目次
案内板に求められるユニバーサルデザインとは?

ユニバーサルデザイン(UD)は、年齢・性別・障害の有無にかかわらず、できるだけ多くの人が利用できる設計を指します。
案内板においては「誰が見ても迷わない」情報掲示が求められます。
案内板のユニバーサルデザインでは、視覚・認知・身体の3つの側面から配慮が必要です。
| 側面 | 配慮すべきポイント | 具体的な工夫例 |
|---|---|---|
| 視覚 | 情報が「見える」ことを最優先にする | ・JIS Z 8210に基づくピクトグラムを使用 ・UDフォントを活用して可読性を高める ・背景と文字のコントラスト比を高める ・重要情報は大きく、視線の高さに配置 |
| 認知 | 情報が「理解しやすい」構造になっている | ・情報量を詰め込みすぎない ・矢印や色分けで動線を直感的に示す ・外国人向けに多言語対応やQRコード連携 |
| 身体 | どんな身体状況でも「アクセスしやすい」 | ・設置高さは床上1,250㎜程度を目安に調整 ・車椅子利用者の視線を妨げない位置に設置 ・誘導ブロック(点字ブロック)の近くに配置し、視覚障害者対応を強化 ・触知図や音声案内の併設で情報取得を補助 |
従来の案内板は「作り手の都合」で設計されることが多く、統一感がなかったり、動線への配慮が不足していたりする問題がありました。
ユニバーサルデザインは、多様な利用者が使いやすい設計を目指す考え方です。
病院や公共施設でも高齢者・視覚障害者・外国人などに対応しやすくなります。
案内板をUD化することで来訪者が自力で移動しやすくなり、スタッフの負担も軽減できるメリットもあります。
ユニバーサルデザインを取り入れた案内板の特徴

ユニバーサルデザインの案内板には、視認性・可読性・理解性を高めるための工夫が組み込まれています。
ピクトグラムとフォントは、特に中心的な要素です。
JIS Z 8210準拠のピクトグラムで直感的な理解を助ける
ピクトグラムは言語に依存せず情報を伝えられる有効な手段で、日本では「JIS Z 8210」によりトイレやエレベーター、非常口などの図記号が統一されています。
JIS規格に準拠したピクトグラムを使うことで、初めて訪れる人や外国人でも直感的に理解しやすくなります。
主なピクトグラムの種類と役割を表にまとめました。
| 種類 | 例 | 役割・目的 |
|---|---|---|
| 施設案内系 | トイレ、エレベーター、エスカレーター、受付、待合室 | 来院者が迷わず目的地へ移動できるよう、施設内の位置情報を直感的に伝える。 |
| 安全・避難系 | 非常口、避難場所、消火器、AED | 緊急時に瞬時に理解できる情報を提供し、安全確保をサポートする。 |
| サービス案内系 | Wi-Fi、授乳室、コインロッカー、駐車場 | 付帯サービスの存在をわかりやすく示し、利用者の利便性を高める。 |
| 禁止・注意系 | 禁煙、立入禁止、撮影禁止 | 利用者に守ってほしいルールを明確に示し、トラブルや混乱を防ぐ。 |
| アクセシビリティ系 | 車椅子対応、オストメイト、補助犬同伴可 | 障害のある方や高齢者が安心して利用できる環境であることを示す。 |




ピクトグラムを選ぶ際は、背景色とのコントラストを十分に保つことが推奨されます。
ピクトグラムのサイズは視認距離1m、約35mm角相当を目安にします。小さすぎると遠くから視認できず、案内板の役割を果たせません。
可読性を追求した「UDフォント」が案内のセルフ化をサポート
UDフォントは、文字の判別性を高めるために開発された書体です。濁点・半濁点が明瞭で、数字やアルファベットの誤読を防ぐ設計になっています。
UDフォントが案内のセルフ化を支える理由は以下のとおりです。
| 観点 | 説明 |
|---|---|
| 判別性の高さ | 濁点・半濁点が明瞭で、数字・アルファベットの誤読を防ぐ設計。 |
| 誤読防止 | 「0(ゼロ)とO(オー)」「1(イチ)とl(エル)」など、一般的なフォントでは似てしまう文字を明確に区別。 |
| 視認距離の基準 | 視認距離1~2mで、文字高7~9mm以上を考慮。 |
| 高齢者への効果 | 調査では、UDフォント使用時に読み取り速度が向上(例:40歳以上で約3%速く読める)する効果あり。 |
読みやすさの改善は、スタッフへの質問を減らし、来訪者のストレスを軽減します。
ユニバーサルデザインを案内板に取り入れるときの配色ルール

色覚特性に配慮した配色は、ユニバーサルデザインの基本です。
日本人は男性の約5%、女性の約0.2%が色覚特性をもつとされ、特に赤と緑の区別がむずかしい「赤緑色覚」の人が多く存在します。
色覚特性に配慮した配色のルールを表にまとめました。
| 原則 | 具体例 |
|---|---|
| 赤と緑の組み合わせを避ける | 進行方向を緑、禁止を赤で示すと区別できない人がいる。 |
| 色だけで情報を伝えない | 色に加えて形や記号を併用する。 |
| 明度差をつける | 背景と文字に十分な明度差・コントラストを確保。 |
| 寒色と暖色を組み合わせる | 青と黄色は多くの人が区別しやすい。 |
カラーユニバーサルデザイン(CUD)認証の配色を使えば、誰にとっても見やすい色選びが効率的におこなえます。
デジタルサイネージなら明るさに応じて自動切り替えも可能です。
ユニバーサルデザイン案内板の「設置基準」|バリアフリー法と物理的配慮

案内板の内容が優れていても、設置場所や高さが適切でなければ機能しません。
バリアフリー法に関連するガイドラインなどでは、公共施設における案内設備の基準が定められています。
車椅子利用者の目線に合わせた案内板の設置
車椅子利用者の目線は、座位で床上約1,100mm前後です。設置の高さと配慮のポイントは次のとおりです。
| 項目 | 推奨基準 | 配慮の理由・目的 |
|---|---|---|
| 案内板の中心高さ | 床上1,250㎜程度 | 車椅子利用者の視線と立位の視線の両方に対応し、誰でも見やすい高さを確保する。 |
| 案内板前の空間幅 | 80cm以上 | 車椅子が正面まで近づけるようにし、視認性を確保する。 |
| タッチパネルの操作部 | 床上約700mm以上(車椅子対応カウンター基準) | 車椅子利用者が腕を無理なく伸ばして操作できる高さ。 |
| 柱・通路への設置 | 通行の妨げにならない位置 | 動線を塞がず、案内板の前に立ち止まれるスペースを確保する。 |
案内板の高さは、車椅子利用者と立位の来訪者どちらにも見やすい“共通の視認領域”をつくることが重要です。
基準を守ることで施設全体の案内品質を向上させられます。
視覚障害者の移動を支える誘導ブロック(視覚障害者誘導用ブロック)との連動
誘導ブロック(視覚障害者誘導用ブロック)と案内板の適切な配置が有効です。
誘導ブロック沿いや分岐点に触知案内図・音声案内を併設し、視覚障害者の移動を支援します。

案内板は、誘導ブロックの動線上や分岐点に設置すると視覚障害者が迷いにくくなります。
誘導ブロックをたどりながら、音声案内や触知案内図(指先で建物の構造を把握できる図)で目的地を確認できます。
音声案内機能をもつデジタルサイネージなら、音声で情報を提供可能です。スマートフォンと連携し、QRコード等で個別の音声案内をイヤホン配信する仕組みも活用されています。
死角をなくし、迷いを防ぐ設置場所の選定
案内板は「人が迷う場所」に設置してこそ価値があります。設置場所を選ぶチェックリストは以下のとおりです。
- 建物の入口付近
- 廊下の曲がり角
- エレベーター前
- トイレ・階段の入口
- 柱の影や照明の死角
設置後は実際に歩いてみて、視認できるかを確認しましょう。特に車椅子の高さで見た場合、柱や棚に隠れて見えない可能性があります。
デジタルサイネージの場合、明るい窓際では画面が見にくくなるため、照度センサーで輝度を自動調整する機能が有効です。
なぜ今、案内板にユニバーサルデザインが不可欠なのか

ユニバーサルデザインは単なる「配慮」ではなく、法的義務であり、施設運営の効率化につながる投資です。
ここでは、案内板にユニバーサルデザインが不可欠となっている背景について解説します。
2024年4月施行「障害者差別解消法」の改正による合理的配慮の義務化
2024年4月、改正障害者差別解消法が施行され、民間事業者にも「合理的配慮(障害のある人が生活上のバリアを取り除くための調整)の提供」が義務化されました。
これまでは努力義務でしたが、今後は法的に対応が求められます。
令和6年4月1日に改正障害者差別解消法が施行され、ボランティア団体や個人事業主などを含めた事業者による合理的配慮の提供が義務化されました。
引用元:内閣府|障害者差別解消法に係る事業者向け説明会の開催について(最終閲覧日2026年1月27日)
案内板では、視覚・聴覚・認知に障害がある人でも情報を得られるよう工夫することが該当します。
たとえば、次のような配慮が求められる可能性があります。
- 視覚障害者向けに点字・触知図を併設する
- JIS規格のピクトグラムやUDフォントを使用し、誤読を防ぐ
- 車椅子利用者の視線に合わせた高さに設置する
- 多言語表記やQRコード連携で外国人にも情報アクセスを確保する
- 音声案内やタッチパネルの操作部を誰でも操作しやすい高さに設置する
違反時は直接罰則はありませんが、行政指導・勧告の対象となり、改善が求められる可能性があります。
案内業務の「セルフ化」が受付スタッフの疲弊・離職リスクを防ぐ
案内板が不親切だと来訪者が道を尋ね、スタッフは一日に何十回も同じ対応をする負担が生じます。
ユニバーサルデザイン案内板の導入で、負担や関連するリスクを大幅に減らせます。
- スタッフが同じ質問に繰り返し対応する負担が減り、疲弊を防げる
- 案内対応に追われて本来業務が滞るリスクを軽減できる
- ストレス増加による離職・モチベーション低下を防げる
- 案内ミスや説明不足によるクレーム発生を防ぎ、接遇品質を維持できる
- 混雑時の受付の“ボトルネック化”を防ぎ、施設全体の流れをスムーズにできる
スタッフの疲弊は離職につながります。人材不足が深刻な業界では、働きやすい環境を整えることが人材定着の鍵です。
「自力移動」を支えるホスピタリティが施設の評価を高める
迷わずに目的地へたどり着けることは、来訪者にとって大きな安心感をもたらします。
Web上の口コミでは、「文字が多すぎて内容がわかりにくい」といった指摘が利用者から寄せられることがあります。
逆に「案内が丁寧で迷わなかった」という好評価は、施設の信頼性を高めます。「誰にでも優しい施設」という印象は、地域での評判やリピート利用につながるのです。
ユニバーサルデザインでわかりやすい看板を制作するための工夫

案内板を制作する際は、以下の工夫を取り入れることで、わかりやすさが格段に向上します。
- JIS規格のピクトグラムを使用し、直感的に理解できるデザインにする
- UDフォントや十分な文字サイズで、誰でも読みやすい表記にする
- 背景と文字のコントラストを高め、視認性を確保する
- 情報を詰め込みすぎず、重要度に応じて階層化する
- 矢印や色分けを活用し、動線が一目でわかる構成にする
- 設置高さや角度を利用者の視線に合わせて最適化する
- 多言語表記やQRコードで、外国人や視覚障害者にもアクセス可能にする
情報には優先順位をつけることが重要です。総合案内板では緊急性の高い情報を上部に配置します。
フロアを色分けして案内すると初来訪者にもわかりやすくなります。
ユニバーサルデザインとデジタルサイネージの相性の良さ

デジタルサイネージは、ユニバーサルデザインの考え方と非常に相性が良い媒体です。
相性が良い理由は以下に挙げています。
- 情報を瞬時に更新できる
- 利用者に合わせて表示を切り替えられる
- 視認性の高いデザインを実現しやすい
- 情報の多層化ができる
- 案内業務のセルフ化を促進する
デジタルサイネージは数分で情報更新でき、常に最新の案内を提供できます。多言語表示や音声案内にも対応し、外国人や視覚障害者にも配慮できます。
さらにQRコード連携で、スマホによるルート案内や待ち時間確認など個別の情報提供も可能です。
樹サインでは、デジタルサイネージも取り扱っており、施設の規模や利用者層に応じた提案をおこないます。
相談したからといって、契約を急かすことはありません。まずは「どんな機能が使えるか」を一緒に確認してみませんか。
\デジタルサイネージの機能を知りたい方へ/
導入事例や運用イメージもご紹介します
ユニバーサルデザイン案内板導入のポイント

ユニバーサルデザインの案内板を導入する際は、目的の明確化と現状分析が出発点です。ここでは、導入のポイントを解説します。
「案内業務の負担」を数値化し、導入目的を明確化
まず、現在の案内業務にかかる時間とコストを把握しましょう。次のような手順で、案内業務の負担を数値化できます。
- 受付スタッフへのヒアリングで道案内の件数・所要時間を記録
- タイムスタディ(※)で1件あたりの平均対応時間を測定
- 1日の総対応時間を算出し、人件費換算で年間コストを可視化
- 数値をもとに、UD案内板導入による削減効果・ROI を試算
数値を根拠に、案内板導入によるコスト削減効果を試算しましょう。道案内が半減すれば、スタッフは本来の業務に集中でき、利用者満足度も向上します。
※ 作業の各工程にかかる時間をストップウォッチ等で観測・測定し、標準作業時間を算出する手法です。
初期費用だけではなく「トータルコスト」で検討
アナログ看板は初期費用が安く見えますが、更新のたびに印刷費・設置費がかかります。
デジタルサイネージは初期投資が高いものの、長期的には運用コストをおさえられます。
アナログ看板とデジタルサイネージのコストを比較しました。
| 項目 | アナログ看板(案内スタンド) | デジタルサイネージ |
|---|---|---|
| 初期費用 | 7千~5万円程度 | 50万円程度~ |
| 年間更新費 | 継続発生(印刷・張替) | ほぼ0円(ソフトウェア更新) |
| タッチパネルの操作部 | 床上約700mm以上(車椅子対応カウンター基準) | 車椅子利用者が腕を無理なく伸ばして操作できる高さ。 |
| 5年間総額 | 更新頻度に比例して増加 | 初期投資回収後お得 |
長期的に見ると、デジタルサイネージの方がコストが低くなる傾向にあります。情報の鮮度を保ちやすい点も考慮すると、投資対効果は高いといえます。
SDGsやCSRへの取り組みとして「施設の価値」を上げる
ユニバーサルデザインの導入は、SDGsやCSRの取り組みとして対外的にアピールできます。
施設のウェブサイトやパンフレットで「誰もが利用しやすい環境づくり」を発信することで、地域からの信頼が高まります。
自治体によっては、バリアフリー化に対する補助金制度があります。事前に確認し、活用することで初期投資をおさえられます。
理想の案内環境をワンストップで!樹サインが選ばれる理由

ユニバーサルデザインの案内板を導入するには、専門的な知識と経験が必要です。
樹サインは、設計から運用まで一貫してサポートします。導入後もトラブル時のサポート体制を整え、迅速に対応します。
まずは施設の状況を聞かせてください。一緒に改善の方向性を探りましょう。
\設計から運用まで任せたい方へ/
相談は無料、現地調査も対応します
ユニバーサルデザインの案内板設計が施設の価値を高める
ユニバーサルデザイン案内板は、誰もが迷わず目的地へたどり着ける環境を実現します。
JIS規格に基づくピクトグラムやUDフォント、適切な設置高さ(床上1,250mm程度)が基本です。
障害者差別解消法の改正により、民間事業者にも合理的配慮が義務化されました。案内業務のセルフ化はスタッフ負担を減らし、施設の評価を高めます。
デジタルサイネージなら、情報更新の手間を省き、多言語・音声案内など多層的な情報提供が可能です。施設の案内環境を整えたい方は、ぜひ樹サインへご相談ください。
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施設に合った具体的な提案をいたします

